Rory Gallagher tribute band O.E. Gallagher live at Crawdaddy Club, Shinjuku Tokyo, 16 December 2012.
- Takayuki O.E. (guitars/mandolin/vocals)
- Hironori Kagawa (bass)
- Shuichi Ueda (drums)
- Naomi Watanabe (keyboards)
Using Carl Zeiss/Contax Planar 85mm/F1.2 single focal lens with Sony NEX-7 APS camera.
All photo copyright © 2012 Megumi Manzaki.
ステージ照明が均等に当たりすぎるせいかもしれないが、この店では何度やってみても、自分で良いと思える写真が撮れたためしがない・・・。
今度こそ苦手意識を克服しようと思って、この日は新兵器を持ち込んだ。前日若松町の専門店で購入したばかりの「コンタックス60周年記念限定」プラナー85mm/F1.2 MMG(1992年ドイツ製)、これ1本で勝負に臨んだ。(続きは写真の後、このセッションの末尾にて)
↑ 絞り開放(F1.2)で、こんなにメリハリがつけられる。 ↓
↑ 絞りを開ければ、ゴチャついた背景もここまできれいにぼかせて、ポートレイト写真にもなり得る。ただ、ポートレイトは前ピンが基本(絞りを開けて被写界深度を浅めにとり、顔の手前側にピントを合わせたソフトフォーカスにすると、美しげに写る)だそうだが、これは後ピンになって顔がピンぼけになりすぎてしまった。
レンズの解像力が良いので、カメラ本体がフルサイズじゃなくAPSでも、トリミング&引き伸ばしに耐える写真が撮れることがわかった。たとえば上↑の写真から、手元を中心に引き伸ばすと下↓の写真になる。
77mmの大口径 Carl Zeiss/Contax Planar 85mm/F1.2 MMG (Germany 1992)---隅々まで優れた解像力だという。明るくて、いつもよりかなり速いシャッタースピード1/500(ISO1600にて)ぐらいまで行けちゃうし、ピントの山も今まで愛用していたPlanar 85mm/F1.4 AEGに比べて圧倒的につかみやすい。ものすごーく重たいこと(フィルターとフードを付けて実測887g)を除けば、とても撮りやすいレンズだ。(ヘリコイドの1mm未満の動きがカクカクするのは、グリス抜けだろう。)
翌日ドキドキしながら現像してみた。たしかにギターのTONE/VOLUMEの数字がはっきり読み取れる。髪の毛の1本1本まで、爪のささくれまで、シャツの表の布地とまくり上げた袖口の裏の布地の違いまで、キッチリ写っている。良いレンズだ。
だが、良いレンズを使えば良い写真が撮れるってものではないんだな、これが!
商品知識として頭ではわかっていたつもりでも、店頭に出向き実物をてのひらに収め、いじり回してみても、まだわからない。代金払って自分のモノにして、ライブハウスに持っていって、大好きなバンドのワンステージ、2時間弱で574ショットも撮って、現像してみたあげく、やっとなんとなくわかったことがこれだ。
「隅々まで行き届いた解像力の高さ」は、ロリー・ギャラガーを荒々しく弾きまくるこのバンドを描写するのに---「無駄」「邪魔」とまでは言わないが---本当に必要だったのだろうか?ということを。
写真の解像度が、ライブハウスに足を運んで生のステージを肉眼で見る人間の感性を---想像力さえも超えてしまっては、迫力も臨場感もむしろ減退してしまうのでは?ということを。
「ええーっ?だってマンザキさん、そのレンズものすごく高かったんでしょう?」という声が聞こえてきそうだ。
明るく、ピントが圧倒的に合わせやすい、という有利な点は価値大だから、もちろん次もこれ1本で勝負してみる。店が変われば照明も空気も変わる。次はメリハリの利いたステージ照明の店だ。(演奏者には熱くてたまらないらしいが。)違った質感の写真が撮れるかもしれないから、楽しみだ。
きっとこのレンズは、スローブルースやアコースティックのステージで、繊細な描写に本領を発揮するのだろう、とも思う。
217 photos taken by Megumi in this session available.
http://www.flickr.com/photos/megumi_manzaki/sets/72157632272896310/