29 April, 2021

写真のひみつ - secret of my photos

 
 
 (上:撮ったまま)
(下:現像処理後) 


The Sea live at Outbreak, Tokyo, 18 Apr 2021 - original photo and released photo after development and processing.

スモーク過多、照明の届く箇所と届かない箇所の極端な明暗差……写真にとって最も難度が高いライブステージのひとつ。私のライブ写真を「マンザキ・クオリティー」と評価してくださる方がおられるが、その秘密を自分で暴露すると、現場でその瞬間に完成写真としてカメラの中にちゃんと撮れているわけではなく、持ち帰ってから後処理に相当の時間をかけ、失敗みたいに見えるショットも現像ソフト(Adobe Lightroom)で何とか救出するだけのことだ。ステージが好条件なら誰が撮っても同じような普通に「まともな写真」が撮れる。むしろ最新のカメラやスマホでAE/AF機能の適正範囲を逸脱するほどステージの条件が悪く、普通は撮るのを諦めるような瞬間にこそ、露出もピントもマニュアルで撮る自分はオリジナリティーを発現できるチャンスと考えるようにして頑張ってみる。それでも自分の思い通りの絵に仕上がることは少ない。

AF-S Nikkor 24-70mm/F2.8 E ズームレンズ使用、 27mm時。カメラ Nikon Z6。ISO-1600、絞りF5.6、シャッタースピード1/60秒。Adobe Lightroom Classic にてRAW→JPEG現像。

最も近くにいるギタリストとステージ反対側のベーシスト、そしてできれば最も遠いステージ奥のドラマーまで、3人を同時にフォーカス内に捉えたかったので、F5.6に絞ってギリギリの被写界深度を取ってみる。そのためシャッタースピードはライブ写真としては遅過ぎる1/60秒まで落とさざるをえなかった。それでもなおこの暗さだ(写真上)。ISO値1600に固定していたが、現像でかなり明度を上げたので画像粒子が荒れた。